医療事務

医療事務資格を職業訓練を通して取得するには

介護職員初任者研修

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現在、日本では転職市場の活発化や定年年齢の引き上げ等により、ひとつの職場や職種で定年まで働き続けることが必ずしも安全ではなくなっています。また、会社員である限り、現在の職場が倒産する等のリスクが常にあります。
そうした状況の中で、新たな技能を身に付け、スキルアップやジョブチェンジをしようと考える方にとって、強い味方となるのが厚生労働省による「職業訓練」です。この制度は、雇用期間等の一定の条件を満たした人の中で、新たな技能を身に付けようとする人の資格取得に関わる費用の一部を助成する、労働者のキャリア形成を応援する制度です。
今回の記事では、この職業訓練を通して医療事務の資格を取得し、医療業界で活躍しようと考えている方のために制度の活用方法をご紹介します。この記事が、これから医療事務の資格を取得しようとしている方の参考になれば幸いです。

職業訓練

1.医療事務の職業訓練の内容

職業訓練を通して医療事務を取得しようとする場合には、厚生労働大臣の指定する訓練機関において、自分が希望する講座を受講する必要があります。医療事務講座であれば、どのスクールのどの講座でも良いということではありません。
例えば、医療事務に関しては下記のページから、医療事務に関して職業訓練を行っている講座を探します。
厚生労働省:https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form

では、厚生労働大臣が指定する訓練機関では、医療事務についてどのような訓練が受けられるのでしょうか?上記の厚生労働省のwebサイトから調べれば、いくつか表示されますが、職業訓練の指定講座として、通学であれば3~5ヵ月程度の期間のものが一般的です。例として、受講期間5ヵ月、総訓練時間89時間の研修ではカリキュラムの内訳が下記のようになっています。

・医療保険の概要(2時間)
・診療報酬点数の算定(26時間)
・医療事務コンピューター(21時間)
・電子カルテシステム(3時間)
・レセプトチェック(25時間)
・薬剤の基礎知識(3時間)
・調剤報酬点数の算定・レセプト作成(9時間)

上記の内容を確認してみると、医療保険や診療報酬点数に関する授業に加え、現代医療には欠かせない医療事務のコンピューターや電子カルテ等に関しても学習します。
また、調剤事務に関係する薬剤の基礎知識等についても学習し、限られた時間(89時間)中で、実務で必要と思われる内容について、一通り学習することがわかります。

2.医療事務資格を職業訓練を通して取得する際の条件

ここでは医療事務の資格を、職業訓練制度(一般教育訓練と専門実践教育訓練)を通して取得する際の条件について確認しましょう。教育訓練給付金とは「働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されるもの」です。今回の医療事務に関しては、職業訓練を活用することで、医療事務の知識を修得し、医療機関への就業を目指している方、医療機関で就業中の方などが対象者となります。
職業訓練には一般教育訓練給付制度と専門実践教育訓練給付制度があり、それぞれに対象となる講座と受給要件があります。

(一般教育訓練給付制度)

働く方のスキルアップを支援する制度です。雇用保険の被保険者であった期間が3年以上(初めての場合1年以上)であり、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を修了すると申請できます。

(専門実践教育訓練給付金)

こちらも働く方のスキルアップを支援する制度です。雇用保険の被保険者であった期間が3年以上(初めての場合2年以上)であり、厚生労働大臣が指定する受講期間が比較的長期間となる専門実践教育訓練を受講する場合に申請できます。

3.医療事務の職業訓練を受ける際のフロー

では、医療事務の講座を職業訓練を活用して受講しようとした時には、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか?ここでは受講修了までの流れを説明します。

1)職業訓練に関しては、事務手続きはお住まいの地域のハローワークが行っています。そのため、通いたい学校や講座等を調べることはインターネットを使えば自宅でもできますが、ある程度情報を集めたら、ハローワークの窓口で相談しましょう。

2)ハローワークで調べた職業訓練に関する講座の登録等について、間違いがないかの確認を取ります。その後、一般教育訓練では学校と連絡を取り、可能であれば教室や訓練施設の見学を行いましょう。専門実践教育訓練では事前に受給資格の有無を確認し、申請します。

3)一般教育訓練では学校に入学試験の有無や定員に達していないかを確認します。

4)受講が決まりましたら、受講料の支払い等を行います。受講料に関しては、受講中または受講修了後に給付を受けますが、一旦は全額負担して支払いする必要があります。

5)実際に講座を受講します。

6)無事に修了し、(試験を受けて)資格を取得します。 

4.医療事務の職業訓練を受ける際の面接

職業訓練の利用する場合には、ハローワークでの面接が必要となる場合があります。ここでは、面接での注意事項についてご紹介します。
職業訓練として講座を受講する方に最も求められる点は、就業を前提にしているかどうか、特に具体的な計画や考えがあるのかを確認されることが多いでしょう。
例えば、医療事務に関して言えば、講座修了後にどういった医療機関で働きたいのか、具体的にどの地域での就業を考えているのか、そのためにどういった就職活動をするのか等についてです。そうした面接に備えて、自分なりの答えを作っておきましょう。
下記に、例を記載しますので参考にしてください。

[面接の例]

面接官:「講座終了後には、どういった医療機関で就業しようと思っていますか?」
受講生:「私は、リハビリに特化した専門の医療機関で働きたいと考えています。そのため、T市のA病院やS市のKリハビリテーションセンターへの就職を考えています」

しばらく後

面接官:「前回の面談後から、就職活動の状況はいかがですか?」
受講生:「はい。T市のA病院については、今年は募集を行わないようです。S市のKリハビリテーションセンターは、現在選考を受けているところです。ただ、ほかにもリハビリに力を入れている病院はあるので、そちらの試験も受けてみようと思います」

このような、講座終了後の就業に関する確認のほかにも、「なぜ、医療事務を受けようと思ったのか」や「今後のキャリアプラン」についても聞かれることが考えられます。こうした質問に対しても、事前に回答を用意しておきましょう。

5.医療事務の職業訓練を受ける際の志望動機

ここでは、医療事務の職業訓練を受ける際の面接でも確認されますが、志望動機について説明します。職業訓練を利用した講座受講は、就業中の方も受講できますが、失業中で受講する方もいます。そうした様々な事情を持った受講希望者が、これから職業訓練の講座を受講し、無事に修了できるのかという点に関して、志望動機から受講の可否を判断されることがあります。そのため、相手を納得させられる志望動機を作り、説明する必要があります。志望動機を作成する上で大切なことは、「嘘をつかずに正直に話すこと」と「伝わりやすい組み立てをする」ことです。
例を提示しますので、参考にしてください。

[面接の例]

受講生A:
「私は、これまで運送会社の事務職に就いておりましたが、会社が倒産しました。そのため、現在は失業保険を受給していますが、新たな技能を身に付けた上で再就職したいと考え、今回医療事務の講座を受講したいと思いました。医療事務については、母が現在医療機関で医療事務として就業しており、時々どのような仕事かを聞いていました。そのため、自分が今後仕事をしているイメージしやすかったので希望いたしました」

受講生B:
「私はこれまで、IT系の企業に勤めていましたが、激務のため体調を崩してしまいました。現在は体調が戻ったため、色々な職業を調べていましたが、その中で医療事務の仕事を知りました。医療へのニーズが今後も高まると考えられる日本で、医療業界の中で長く働きたいと考え、そのために専門的な資格である医療事務を取得して医療業界に貢献したいと考え、今回志望いたしました」

6.まとめ

職業訓練を活用した医療事務の資格取得に関してご紹介しました。就職や転職またはスキルアップを考える理由は様々かと思いますが、医療事務として就業を考えている方にとってこの記事が参考になれば幸いです。
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